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  • 執筆者の写真水月 雪兎(Mizuki Yukito)

2019年海洋生物調査結果報告1(サルパとブドウガイ)

継続定点観測している海洋生物の2019年調査の結果をまとめていきたいと思います。


今年は人形作業に力をいれているので磯調査もビーチコーミングがままならず結果というには粗末なものですが、それでも自分の記録メモとして記載します。


サルパ、ここ3年については流れ着くことが無かったのですが今年は来ました。

釣り師である会社の同僚から「サルパ釣り上げた」と連絡があったのが6月下旬。

7月に採集調査・・・大体漁港で溜まったものを採集するのですが、今年は様相が違っていてサルパに混じりミズクラゲとカサクラゲ、ウリクラゲが結構紛れていました。





サルパも4種類採集、割とレアなオオサルパが多く「アミダコ」狙いで見つけたものは全て採集し調べて海に返す事を繰り返しましたが、漁港内のサルパでは見つからず。

磯にいるサルパでも同様に調査しましたが、さすがに幻のタコ、見つけることができませんでした。


これがオオサルパ。

大きいものだと500mlのペットボトルが浮いているようにしかみえなかった。





今年見つけたサルパは64種類中の4種類と思われます。

モモイロサルパ、トガリサルパ、オオサルパ、あとは丸い形のサルパですがこれは同定に自信がないので保留種。

もしかしたらもっと細かく分類できて多くの種類が居たのかもしれません。


「人形廃墟別館仮想博物館」ヤフーブログからの読者の皆さんは「サルパ」がなんであるかご存知かと思いますが、簡単に説明すると透明ですがホヤの仲間です。


クローンを作って増えていきます。

核の中にクローンが沢山詰まっています。




連なったままある程度の大きさまで植物プランクトンを食べて成長していきます。







夜になると発光が観察されますが、もしかしたら捕食時にも発光しているのかもしれません。

植物プランクトンを捕食するために発光するのでしょう。




生食してみましたが、海水の味とナタデココのような歯ごたえでお世辞にもおいしいとはいえませんでした。

調理法を工夫すれば食べられるのかもしれませんがほぼ水分なので食には不向きでしょう。


で2016年にサルパが大量に流れ着いた時には5月から10月まで捕獲することができたのですが、今年の場合期間が短く、6月に発見されてはいるものの、9月には姿を見ることはありませんでした。




さて、ブドウガイの方は今年も見つからず。

ブドウガイは見た目アメフラシに似た貝の仲間です。

アオサを餌にして1年周期で生息しています。


写真、わかり難いですが画面右側の茶色いのがブドウガイです。




中央付近にある黄色い顆粒の塊が卵です。

よく見ると寒天質の卵塊の中にらせん状に卵が入っています。



3年前の採集以降一度もみていません。

後志方面のアオサはここ5年間生育が悪いです。

ブドウガイが見つからないのは餌であるアオサの生育が悪いせいだと思っていましたが、今年は道南方面のアオサが良好なことから道央付近の海で何か他の要因の為に生育不良をおこしているのかもしれません。

道南の調査ではアオサの生育が良いときにブドウガイと共によく見つかる「ヒラムシ」は多数発見することができたのですが、ブドウガイを発見することはできませんでした。

殻も落ちていないことから少なくてもここ2年は生息はしていないんじゃないかと思われます。



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